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認知症治療新薬『レカネマブ』を用いた認知症治療外来について

県内最多のPET-CT装置、MRI装置を最大限活用し

アルツハイマー病型認知症患者の早期発見・早期治療へ


総合南東北病院では、製薬大手エーザイなどが開発した認知症のアルツハイマー病の新薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」の外来診療を2月17日から本格的に始めました。レカネマブは、脳内にたまった病気の原因物質(アミロイドベータというタンパク質)を除去することで症状の進行を抑制します。軽度認知症とその前段階である軽度認知障害の患者が対象で、2週間に1回の点滴を原則1年半続ける必要があり、標準薬価は年間約298万円(体重50キロの場合)です。※昨年12月20日から保険適用

薬の効果が期待できる軽度認知症、または軽度認知障害かどうかを判断するには、認知機能の尺度をはかる検査などのほか、脳内のアミロイドベータの蓄積状況を確認するためのアミロイドPET検査や、脳内の血管等に異常がないことを確認するためのMRI検査が必要です。

当院はPET-CT装置5台、MRI装置7台と県内最多の台数を保有しており、これらを最大限に活用し、レカネマブによる治療が可能な認知症患者の早期発見・早期治療に努めていきたいと考えています。認知症治療外来の本格始動に合わせて本日、70歳代の患者に対して、福島県内の病院では初となるレカネマブの投与を行いました。

認知症治療外来については外来予約専用フリーダイヤル 0120-14-5420 までお問い合わせください。


認知症治療新薬『レカネマブ』を用いた認知症治療外来について


1.受診_その①

もの忘れ外来の初診外来を予約・受診していただきます(紹介状・情報提供書を持参していただくことをお勧めしています)。既に当院で他の診療科に通院中の方は、担当医に確認の後、もの忘れ外来への紹介をご依頼ください。もちろん担当医から、もの忘れ外来への受診を勧められる場合もあります。


2.受診_その②

通常の初診外来の診療を受けていただきます。レカネマブの投与対象はアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度の認知症に限られ、初診時の診察やその後の検査(通常、神経心理学的検査、脳MRI、脳血流シンチグラフィー等を1日あるいは数日に分けて実施)の結果、対象外と判定されることがあります。その場合は通常の診療を提供させていただくか、紹介先の医療機関で診療を継続していただきます(もの忘れの原因がアルツハイマー病ではない場合、原因がアルツハイマー病であっても認知症の程度が中等度以上の場合、脳MRIにおいて治療による副作用のリスクが高い特有の所見を認めた場合、などは対象外と判定されます)。レカネマブによる治療の対象と判断された場合、検査結果の説明の後、「アミロイドベータの蓄積を調べる検査」を予約し、実施します。


3.アミロイドβの蓄積を調べる検査

レカネマブの投与対象は臨床診断に加えて、検査結果においても厳格に規定されています。特に重要なのが脳へのアミロイドベータの蓄積が認められることです。アミロイドベータの蓄積を証明する検査としては、アミロイドPETという核医学検査と、髄液検査がありますが、当院では侵襲の低いアミロイドPETを優先してお勧めしています。


4.検査結果の説明

初診時の診察とその後の全ての精密検査の結果を総合的に判断し、レカネマブの投与の対象に該当するか否かを説明させていただきます。レカネマブの治療適用がないと判定された場合には、どのような予防策・治療法を講じることができるかを説明させていただきます.


5.投与

治療適用があると判定され、投与を希望された方には、外来処置室で点滴注射を行います(副反応の発現を注意深く観察するためです)。投与は2週間に一度のペースで、18か月間(1年半)行います。なお、投与開始後は脳の腫れや出血などの副反応が生じる可能性があるため、定期的な脳MRI検査が必要です。


6.費用負担

レカネマブの投与による費用負担の概算は表の通りです。

※1:金額は薬剤のみ(診察や検査等を除く)の費用で患者負担額を示したものです。

※2:対象者の診療行為や所得によって負担上限額が変わりますのでご注意ください。



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