村上 昌雄
センター長
南東北がん陽子線治療センター

 

陽子線治療はブラッグピークという陽子線の物理学的性質を生かして、肝臓、膵臓、肺、前立腺、膀胱といった深在性臓器に発生した腫瘍に対しても、高線量を集中させて投与することができる放射線治療法です。直径10cmを超える大きな腫瘍やこれまでの放射線治療治療では対応できない放射線治療後の再発例についても陽子線治療による治療が可能です。

 

消化管に隣接した腫瘍の治療に際しては、外科と協力しスペーサー手術を事前に行い腫瘍と消化管の距離を離れた状態で安全に陽子線治療を行っています。また、頭頸部、膀胱がんなどの局所進行がんには動注化学療法併用陽子線治療を行っています。

 

私達は、陽子線治療が、近い将来がん治療の標準的治療法として位置づけられることを目標に据え、南東北病院グループが掲げる院是「すべては患者さんのために」に加え、「切らずに治すだけではなく、切れないがんをも治す」、「郡山から全国・世界へがん治療の光を放つ」という理念のもと、陽子線治療の臨床・研究に日々あたっております。

Printer Friendly