病理診断科

診療のご案内

診療内容

病理診断科診療部長

菅井 有

病理診断科は病理診断、細胞診断、病理解剖を主な業務とする診療科です。院内では患者さんの診断や治療成果向上のために種々の症例検討会が行われていますが、病理医はその中心的な役割を担っています。病理診断は患者さんの最終診断を担当しています。病理医は“医療の裁判官”と例えられることも多く、欧米ではDoctor’s Doctorなどとも評されています(医師を教える医師)。このように重要な仕事を受け持っている病理医ですが、患者さんへの認知度が低いことが悩みの種です。是非このホームページをご覧いただき病理医の役割をご理解いただけたら幸いです。

病理診断の対象は多岐にわたるので、病理診断も臨床各科と同様に多数の専門領域に分かれています(消化器病理、呼吸器病理、婦人科病理、など)。難解な症例、特に専門外の病理診断に遭遇すると我々のみで解決困難なこともあります。本院では最新の機器であるバーチャルスライド作製機を用いて病理標本のデジタル画像を作成しています。これは院外の病理医への迅速なコンサルテーションに役立っています(相手の病理医と標本のやり取りをしている時間が節約でき迅速に専門家の診断を得ることができます)。このように院外の各分野の専門医とも密な連携を保ち、精度の高い病理診断を心がけています。
病理診断は手作業の多い医療業務です。“正確かつ早く”を心がけていますが、実際検体が採取されてから我々の手元に病理標本が来るまで、早くても数日かかります。本院の病理診断の平均診断時間 (turn around time, TAT)は3.8日(手術症例を含みます)で、全国的にみてもトップクラスのスピードで診断が成されています (生検のみのTATは2.5日です)。細胞診においては1.6日になっています(資料1)。

更に本院では複数の病理医による二重チェック診断が行われています(診療報酬上の病理診断加算IIの対象施設です)。このことは病理診断の質が専門医によって二重に担保されていることを意味しており、病理診断の品質の高さを表しています。病理診断の誤診は患者さんへ重大な不利益を生じさせます。正確な病理診断が医療の質を決定します。医療の精度を支えるという矜持を持って今後も更なるレベルアップを心がけていきます。

組織体制

  • 常勤病理専門医・細胞診専門医 3名

診療対象

患者様から採取される全ての検体です。

実際の病理診断書業務

病理診断の流れを要約しますと、固定→標本作成→組織診断の順になります(図1)。病理標本はHematoxylin Eosin (HE)染色を用いて診断されますが (図2)、種々の特殊染色や免疫染色なども用いられます。細胞診はパパニコロ染色を用いています (図3)。

図1

図2

図3

病理診断件数は約11500件、細胞診診断件数は約7500件で特に病理診断件数は県内1位の診断件数で、東北全体でもトップクラスになっています(資料2, 3; 病理診断件数はその病院の質を表していますので、病院の信頼度の指標の1つになっています)。病理診断のためのガラス標本の総数も5万個を超えています(即ち5万個以上のガラス標本を検鏡していることになります)。
迅速診断件数は572件でこれも県内トップクラスです (資料2)。迅速診断の件数が多いほど院内の手術の質が高いことを示唆しています。最近癌の治療指針の決定に用いられている分子マーカーの検索(免疫染色が用いられています)も年間700件を超えています (資料2)。実際の免疫染色写真を示します (図4)
消化器内科、外科との院内カンファランスを月3回定期的に行っています。これは医療の質向上のために役立っています。他の診療科とも今後行っていく予定です。

病理解剖数は年間10件前後です。病理解剖は患者様、ご遺族の貴重なご厚意によって行うことができます。改めて病理解剖をご承諾いただきましたご遺族に感謝を申し上げます。

図4

診療実績

※資料1

組織診

症例数
TAT合計
TAT平均
生検
4717
12065
2.5日
手術
5863
26157
4.5日

細胞診

症例数
TAT合計
TAT平均
7227
11565
1.6日

※TAT (Turn around time)

※資料2

組織診 症例数

IHC内訳

※資料3

細胞診 症例数

通常:7228件(97.5%)
術中迅速:187件(2.5%)
他院標本:0件
外注(遺伝子・IHC):0件

合計:7415件(100%)

2024年度診療実績

スタッフ紹介