ごあいさつ

化学療法委員会
髙野 祥直
当院では、がんに対する化学療法の進歩により、治療内容が複雑化・高額化している現状を踏まえ、2007年に化学療法委員会を設立しました。患者さんが安全で安心して抗がん剤治療を受けられるよう、多職種が連携し、治療中のさまざまな不安や困りごとに対応しています。
化学療法委員会では、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどがチームとなり、それぞれの専門性を生かしながら、患者さんお一人おひとりの体調や生活背景に合わせた支援を行っています。副作用への対応や医療費に関するご相談をはじめ、治療を続けるうえで生じるさまざまな課題について、病棟と外来化学療法室が連携し、継続的にサポートします。
また、思春期・若年成人(AYA世代)の患者さんへの支援や、外見の変化、生活の質(QOL)の低下といったお悩みにも丁寧に寄り添っています。
地域のがん拠点病院として、生活面や心のケアを含めた支援体制を整えるとともに、近隣の医療機関や行政とも連携し、患者さんとご家族を支えています。
今後も、患者さんとそのご家族に寄り添いながら、安全で安心できる化学療法の提供に努めてまいります。

組織体制

活動内容と実績
多職種で支える、安心・安全ながん治療
当院の化学療法委員会は、がん薬物療法を受ける患者さんが安心して治療に臨めるよう、医師・歯科医師・看護師・薬剤師・栄養士・医療ソーシャルワーカーなどが連携し、チーム医療を実践しています。
病棟・外来の化学療法室が協力し、外来・入院の両面から継続的な支援を行うほか、地域がん診療連携拠点病院として、生活や心のケアにも多職種で取り組んでいます。
投与実績

※外来部門(本院15床・クリニック13床 計28床)
相談対応・支援活動
現場からの相談対応
化学療法委員会では、治療の現場から寄せられるさまざまな相談や確認事項に対し、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどの多職種がそれぞれの専門性を活かし、責任をもって対応しています。特に、新規抗がん剤に伴う副作用への対応や、口内炎などにより食事摂取が困難となった患者さんへの口腔ケアを重視しており、治療計画に関する助言をはじめ、患者さんの不安軽減や生活面への支援など、安心して治療に臨める環境づくりを多職種で連携して行うことが、委員会の重要な役割の一つです。
AYA支援
思春期・若年成人(AYA世代)の患者さんが抱える年齢特有の悩みや不安に寄り添う支援を行っています。
医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・心理士などが連携し、個別のニーズに応じたサポートを提供しています。
アピアランス支援
がん治療に伴う外見の変化や生活の質の低下に対する支援を目的に、ウィッグ・補整下着・口腔ケアなどの情報提供や相談対応を行っています。
患者さんが自分らしく過ごせるように、多職種で支える体制を整えています。
教育・研修活動
副作用症例検討会(隔月開催)
ICI(免疫チェックポイント阻害薬)によるirAE(免疫関連有害事象)を中心に、抗がん剤副作用の症例を振り返り、有害事象への対応力を高めることを目的とした多職種参加型の検討会です。
この取り組みは学会発表も行っており、院内外から高い評価を得ています。
看護師向け基礎研修
化学療法に必要な基礎知識と観察のポイントを学び、病棟での患者ケアに活かせる視点を養うことを目的とした研修です。
安全な治療継続に寄与できる看護実践力の向上を目指しています。
YouTube動画研修
各診療科の医師による「疾患と化学療法」、薬剤師による「支持療法」、医療ソーシャルワーカーによる「抗がん剤と社会資源」、さらに栄養士・歯科衛生士による専門的な視点を盛り込んだ動画研修をYouTubeで配信しています。
時間や場所にとらわれず、多職種が学びを共有できる環境づくりを進めています。
地域連携
TeamTRIOの活動(県南・会津の3病院による合同チーム)
がん薬物療法の質向上と標準化を目指し、県南・会津地域の3つの病院が連携して活動する多職種合同チーム「TeamTRIO」に参画しています。
治療計画(レジメン)の妥当性や支持療法の検討を中心に、医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカーなどが施設を越えて協力し、地域全体で患者さんを支える体制づくりを進めています。
今後の展望
今後も、患者さん一人ひとりに寄り添った化学療法支援を目指し、院内外の連携を深めながら、より安全で質の高いがん治療の提供に努めてまいります。