ごあいさつ
NST委員会 委員長
鈴木 伸康
NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)は、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師など多職種が連携して栄養管理を行うチーム医療の一つです。職種の垣根を越えて意見を出し合い、患者さん一人ひとりに最適な栄養療法を提供しています。
NSTの起源は1970年、米国シカゴで代謝・栄養学の専門医師、看護師、管理栄養士、薬剤師らが集まり、栄養療法の在り方について協議したことが始まりとされています。日本では独自のNST活動として「Potluck Party Method(ポットラック・パーティ・メソッド):PPM」が考案され、各部署のメンバーが兼任でNSTに参加する形式が取られました。1998年ごろから全国に徐々に普及し、現在では多くの医療機関で導入されています。
当院では2006年にNST委員会を立ち上げ、活動を開始しました。現在は「①回診」「②学術・広報活動」「③NST専門療法士の教育・育成」を3本柱として取り組んでいます。
2026年度 総合南東北病院 NST専門療法士 臨床実地修練受入に関するご案内 はこちら
NST専門療法士 臨床実地修練受入に関するご案内NSTの中心的な活動は回診です。各診療科の医師や病棟看護師などから依頼を受け、コンサルテーション形式で栄養管理を行っています。週に1回、紹介患者さんのカンファレンスと病棟回診を実施し、患者さんの栄養状態や治療方針を多職種で検討しています。
当院には日本栄養治療学会認定のNST専門療法士が多数在籍しており、職種ごとに小チームを構成して紹介患者を担当しています。患者さんの紹介は随時受け付けており、依頼内容に応じて最適なチームを選定しています。介入方法は小チーム内で検討し、カンファレンスで最終決定したうえで、NSTとしての意見を主治医にお伝えする形式をとっています。
現在、毎週10~15名程度の患者さんに介入しており、これまでに約600名に栄養サポートを行っています。
総合南東北病院NSTカンファレンスについて
NSTでは院内広報誌「NST通信」を発行し、新しい栄養学的知見や資材、手技などを紹介しています。また、院内勉強会を開催し、NSTメンバーが持ち回りで講師を務め、知識の啓蒙を行っています。
さらに、日本栄養治療学会総会など院外の学会への参加や発表も積極的に行い、院内外での知識共有と啓発に努めています。


2001年に日本静脈経腸栄養学会(現・日本栄養治療学会)は、コメディカルが栄養療法の専門知識を持つための資格として「NST専門療法士」を創設しました。
当院は、その実地研修施設としての認定を取得し、院内外から研修生を受け入れています。カリキュラムは週1日8時間、計5日間(合計40時間)で構成され、これまでに多数の研修生が修了し、資格を取得しています。


多職種が協力して栄養管理を行い、点滴から離脱し、口から食事ができて退院される患者さんの姿を見ることは、私たちNSTメンバーの大きな励みとなっています。
今後は院内の回診活動をさらに充実させるとともに、外来・地域・在宅医療など院外にも活動の場を広げ、より多くの方に栄養管理の重要性を伝えていきたいと考えています。
組織体制
総合南東北病院NST委員会は、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、言語聴覚士から構成され、運営スタッフが事業内容や計画を立案・運用しています。主に入院患者さんを多角的に評価・支援する体制を構築しており、各専門職種部署と連携を図りながら総合的・包括的な支援を行っております。

総合南東北病院NST委員会 組織・機能概要
多職種によるカンファレンスの様子
褥瘡対策員や認知症専門看護師とも連携
活動実績
2019~2023年度当院NST委員会実績集計より



リハビリテーション栄養の実践と多職種連携体制
当院リハビリテーション科では、日本リハビリテーション栄養学会のコンセプトを基に、リハビリと栄養管理を一体的に行い、患者さんの機能回復やQOL(生活の質)を最大限に高める「リハビリテーション栄養」を実践するため、多職種で構成されている当院NST委員会と協力・連携しています。 リハビリテーション科内でリハビリテーション栄養を実践するための組織が構成されており、「栄養管理からみたリハビリテーション」と「リハビリテーションからみた栄養管理」を相互に考えながら検討を重ねています。
医師をはじめ、あらゆる専門職種の力を総動員して患者さんの運動機能やADL能力はもちろん、その人らしい生活を送るための、社会参加とQOLもサポートしています。
リハビリテーション科NSTの運営体制
当院NSTとリハビリテーション科の連携システム
リハからみた栄養リスク者抽出・相談項目内容内訳