臨床工学科

診療内容

臨床工学科 技士長

安藤 啓子

「いのちのエンジニア」として、ともに医療を支える仲間へ

当院の臨床工学技士は、臨床工学科25名と人工透析科12名に所属し、24時間365日体制で南東北の医療を支えています。
臨床工学技士(Clinical Engineer)は、医学と工学の知識を併せ持ち、医師の指示のもとで生命維持管理装置をはじめとするさまざまな医療機器の操作・保守管理を行う専門職です。病院内では「CE、ME(Medical Engineer)」呼ばれ、医師・看護師・技師など多職種と連携し、チーム医療の一員として患者さんの命を支えています。

業務内容・特徴

臨床業務(技術提供)

各診療科の治療や検査の場面で、専門技術を提供しています。

  • 循環器部門:心臓血管外科手術、心臓カテーテル検査・治療、植込み型心臓電気デバイス関連
  • 内視鏡部門:上部・下部内視鏡検査・治療
  • 手術室部門:鏡視下手術、ロボット支援下手術
  • その他:温熱療法、免疫療法、高気圧酸素療法など
    血液浄化部門:血液透析、アフェレシス治療、急性血液浄化療法

医療機器管理業務

院内で使用される医療機器の安全と品質を守るため、人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、AEDなどの保守点検・修理対応を行っています。
また、機器の取り扱いに関するスタッフ教育、導入機種の選定や台数管理も担い、医療現場の「安心と安全」を支えています。

管理医療機器の台数

機器分類台数
輸液ポンプ358
シリンジポンプ177
人工呼吸器28
HFNC8
除細動器24
AED31
フットポンプ147
動脈血酸素飽和度(SpO2)モニタ76
セントラルモニタ26
麻酔器システム16
ロボット支援手術装置(da vinci Xi)2
内視鏡光源装置25
人工心肺装置1
ECMO  2台2
大動脈バルーンパンピング(IABP)3
高気圧酸素療法装置(1種)2
電気メス42

(令和7年度10月現在)

心血管カテーテル業務

心臓カテーテル検査は、心臓や血管の病気を診断・治療するために行われます。
臨床工学技士は、ポリグラフを用いた心電図や心内圧の監視・測定、血管内超音波装置(IVUS)の操作・解析、不整脈治療のカテーテルアブレーションでは3Dマッピングシステムの操作を担当し、補助循環装置(ECMO、IABP)やペースメーカを操作も行っています。

植込み型心臓電気デバイス業務

不整脈に苦しむ患者さんにはペースメーカ(PM)や植込み型除細動器(ICD)といった植込み型心臓電気デバイスを体内に植込む治療を行います。臨床工学技士は、植込み手術時の機器操作や、入院、外来においてデバイスの点検を行っています。

心臓血管手術業務

心臓弁膜症や血管に異常をきたした患者さんは手術による治療を行います。その際、数多くの医療機器が使用されるため、臨床工学技士が操作や準備にあたります。心臓や肺の機能を代行する生命維持管理装置:体外循環装置(人工心肺)の操作・管理も行っています。

集中治療業務(呼吸療法、補助循環)

VAECMO、VVECMO、IABP等補助循環装置の操作・保守点検、人工呼吸器や各種モニタの管理を行っています。

呼吸療法業務

肺の機能が低下し、呼吸が十分にできなくなった患者さんに、人工呼吸器や酸素供給装置が使用されます。その際、臨床工学技士は、機器の安全な使用を目的とした院内ラウンドを行っています。また多職種と連携して患者さんの呼吸サポートにも努めています。

内視鏡業務

消化器内視鏡における、上部(胃カメラ)下部(大腸カメラ)の検査と治療の介助、内視鏡装置の保守点検、スコープ・洗浄装置・送水/送気システムの管理、機器トラブル対応を行っています。

手術室業務

手術室内で使用される医療機器(麻酔器、電気メス、レーザー装置等)の保守管理
鏡視下手術における光源装置等の準備とサポート、ダヴィンチなどロボット支援下手術のセッティングや動作確認・保守点検を行っています。

免疫療法・温熱療法業務

がんや自己免疫疾患に効果があるとされる治療法です。臨床工学技士は、血液成分分離装置や温熱装置の操作、保守を行っています。

高気圧酸素療法業務

患者さんが通常よりも高い気圧に出来る装置に入り酸素を吸入することで、血液中の酸素を増やすのが高気圧酸素療法で、様々な疾患の治療に用いられます。臨床工学技士は、その装置の操作・管理を行っています。

血液浄化業務

体内に貯まった老廃物などを排泄あるいは代謝機能が働かなくなった場合に行う治療で、血液透析療法、アフェレシス療法、急性血液浄化療法が存在します。臨床工学技士は穿刺や人工透析装置・各血液浄化装置の操作管理を行っています。

業務実績

業務
内容
件数
心血管カテーテル業務
心臓カテーテル検査
761
経皮的冠動脈形成術(PCI)
193
経皮的末梢血管形成術(EVT)
16
カテーテルアブレーション
117
小児心臓カテーテル検査
3
植込み型心臓
電気デバイス業務
体外式ペースメーカ挿入
33
デバイス植込み術(新規)
61
デバイス交換術
35
デバイス外来
2071
心臓血管手術業務
人工心肺操作
103
自己血回収装置操作
121
経カテーテル大動脈弁置換(TAVI)
10
集中治療業務
(呼吸療法、補助循環)
人工呼吸器(使用中点検)
11389
人工呼吸器(使用後点検)
958
経皮的心肺補助装置(ECMO)
22
大動脈バルーンパンピング(IABP)
35
手術室業務
鏡視下手術
1784
ロボット支援下手術
327
内視鏡業務
検査(上部)
17356
検査(下部)
5725
治療(上部)
622
治療(下部)
1681
温熱療法業務
血液成分分離装置操作
1338
高気圧酸素療法業務
装置操作
295
医療機器管理業務
輸液ポンプ/シリンジポンプの点検
33061
医療機器修理対応
127
血液浄化業務
(人工透析科)
外来透析(HD・HDF)
20628
入院透析(HD・HDF)
1268
持続的血液濾過透析(CRRT)
201
腹水濾過濃縮再静注法(CART)
102
血漿交換(PE)
88
その他(アフェレーシス)
62

学び続ける姿勢

医療は日々進歩しています。その変化に確実に対応できるよう、私たちは専門資格の取得や学会・研修会への参加を通じて知識と技術を磨き続けています。一つひとつの機器の向こうにある「いのち」を想いながら、誠実に、確実に、支える力を育んでいます。

一般の方へ

私たち臨床工学技士は、医療機器を通して「いのち」を支える仕事をしています。
手術や検査が安全に行われるのも、機器が正確に動くからこそ。患者さんが安心して治療を受けられるよう、日々の点検・保守を欠かしません。

医療関係者の方へ

当科では、各診療部門との連携体制を強化し、医療機器の安全管理とチーム医療の質向上を目指しています。互いの専門性を活かし合い、より良い医療を共に築いていければと願っています。